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温泉だけど温泉じゃない?? 意外と知らない療養泉という区分

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息が白くなると、少し嬉しくなってくるAmakuchiです。
冬が寒くってホントによかった…。(白目)

寒くなってきたので、また温泉の話でもしようかと思います。

少し前にこのブログで、「温泉の定義」について触れました。

www.pillows.work


この時に書いたように、温泉には色々な基準があって、おおまかに分けると「源泉が25℃以上である」ことと、「特定の成分が入っていること」に分かれていたかと思います。

ですが、温泉にも実は種類があるのです。
今回はその種類について、軽く説明したいと思います。




「名前がある温泉」と「名前がない温泉」の違いとは?

温泉のことをあまり知らない方でも、「硫黄泉」とか、「アルカリ性単純泉」というような区分は聞いたことあるかと思います。

これは、パッと聞いた感じでは温泉の種類だと思うかもしれません。
半分は合っていますが、半分は違います。
こうした、「○○泉」と名前が付くものは、「選ばれし温泉」なのです。

療養泉という区分

基本的に、「硫黄泉」とか、「アルカリ性単純泉」と呼ばれるような温泉は、「療養泉」と呼ばれます。

「療養泉」というのは、いわゆる「体に良いよ、病気やケガの治療に役立つよ」と環境省に認定された温泉のことを言います。
温泉というのは基本的に「体に良いもの」というイメージがありますが、療養泉はその中でもエリート温泉といえます。なぜなら、選ばれた温泉しか「療養泉」を名乗れないからです。

では、どういう温泉が「療養泉」と呼ばれるのかについて、説明します。

ステップ1:単純泉の要件を満たす

単純泉というのは、平たく言うと「成分はそんなに濃くないし特徴もあんまりないけど、体に良いよ」という療養泉のことです。
単純泉の要件は極めて簡単で、「源泉が25℃以上」あることが基準となります。

あれ? どこかで聞いたことありますねー。
そう、これは温泉の基準の1つでもあるのです。
つまり、25℃以上あればそれだけで温泉の要件も単純泉の要件も満たせちゃうというわけです。
あったたかければ、それだけで体に良いということですね。

単純泉という要件を満たせれば、それで療養泉という温泉エリートに振り分けられるのは確定です。
しかし、それが叶わなくても、療養泉に認定される方法はあります。

ステップ2:溶存物質が1000mg/1kgある

溶存物質というのは、簡単に言うと温泉に溶けている成分のことです,
たまに「硫黄泉」に行くと、ゆで卵みたいな臭いがしますよね。あれは硫化水素という気体が臭いの元なのですが、あれは温泉から漏れ出ているので、溶存物質とは言わないんですね。

ステップ1で落選してしまっても、1kgの温泉の中に合計1000mgの物質が溶けていれば、晴れて療養泉の仲間入りとなります。

1kg中に1000mgというのは、少ないように見えるかもしれませんが、意外と量が多いのです。
例えば、一般的な入浴剤はだいたい30gくらいですよね。浴槽が大体200リットルくらいなので、30/200をすると0.15g,つまり150mgとなります。

ですので、1kg1000mgというのは、市販の入浴剤を浴槽に6~7個入れているのと同じ濃さになるわけです。
どれだけ濃いかは、なんとなくわかるのではないかなと思います(そしてどれだけ贅沢な使い方なのかも…)。

けれどもけれども,ステップ1もダメ,ステップ2もダメでしたとなってしまった温泉もいるかもしれません。
だけど大丈夫! 最後のステップ3にさえ通れば、晴れて温泉エリートの仲間入りです。

ステップ3:特定の成分が一定量入っている

「温泉の定義」の部分でもお話をしましたね。
そう、温度が低かろうと、総成分が1000mgなかろうと、特定の成分が一定量入っていればそれで療養泉に認定されるのです。

でも、そこはさすがに温泉エリート。ただ温泉に認定されるよりも、その基準は厳しいものとなります。

療養泉として認められるためには、以下の成分が以下の量入っている必要があります。

  • 鉄イオンの総量が20mg以上
  • 水素イオンが1mg以上
  • よう化物イオンが10mg以上
  • 硫黄の総量が2mg以上
  • ラドンが8.25マッヘ以上

ステップ3の基準は、上のたった5つしかありません。
「温泉の定義」で触れた基準と比べると、約3分の1くらいに減ってしまいました。

どれだけ、療養泉の基準が高いのかがわかりますね。。
ちなみに水素イオンだけイメージがちょっとつきにくいかもしれませんが、水素イオンが多い時にはphがどんどん低くなる(酸性になる)という特徴があるのですね。

療養泉の種類とは??

療養泉に認められるためのステップが3つあることをお伝えしました。

このように、療養泉にはいくつかの種類があるんですね。
環境省の区分によると、2018年12月現在で療養泉は10こあります。

それぞれ基準があり、1つの温泉が複数の療養泉の特徴を持っていることもあります。
有名な温泉にもなると、5つや6つの療養泉に該当する場合もあるのです…!!

なんて体によさそうなんだ…!!

療養泉の10個の区分については、長くなるのでまた別の記事で紹介しようと思います。
ちなみに10個の区分のうち1つが上で触れた「単純泉」なのですが、「単純泉」の条件は、ステップ1だけ合格して、ステップ2とステップ3は該当しないというものになります。

ですので、「単純泉」だけは他の療養泉と重複することがないのです。
そういう意味では、個性があるかもしれませんね。


ちなみに、温泉好きの方に人気な泉質として「モール泉」というのがありますが、こちらは名前付きであるにもかかわらず、療養泉とはまた違うものになります。
こちらも別ので改めて紹介で来たらと思います。

まとめ

今回は「療養泉」という区分について説明しました。
これからは温泉に入ったときに、「○○泉」と書いてなければ、「なるほど、ここは療養泉ではないんだな」という風に分かるのではないかなと思います。
(ただ、療養泉というのはあくまで特に治療効果が期待できるものであって、療養泉でない温泉でも多くは加温をしているので、リラックス効果や血行促進などが期待できますよ!)

温泉も、少し掘り下げてみると奥が深いものです。
今年は暖冬ですが、たまに冷える日もあります。
疲れたときには、ほっこり温泉に浸かってみるのもよいのではないでしょうか。

温泉はいりてぇ~!(Amakuchi心の叫び)